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ラン

横14cm縦19cm厚さ3.3cm
まだ単行本しかないようで、
分厚く長い話。

でも、スルスルと読めてしまう。
次へ、次へと読みたくなってしまう。
さすが森絵都さん。

カラフルと似ている気がした。
死後の世界と生きているものと接触するから。

この本の中では、
死ぬとマイナスの感情、
憎しみ、怒りなどから溶けて流れていく。
楽しい思いでも、自分と他人との境も
溶けてまざりあって、
ツルツルの魂だけになってから、
セカンドステージに進むらしい。

ファーストステージまでは、
40kmで、たどり着くことができる。
ただし、様々な条件が必要。


死者の喜びも悲しみも、
この世で身につけたすべては溶けて、
ふたたびこの世に還元される。
日差しや風や雨や、
それらに育まれる植物や穀物のなかに。

この本の通りだとすると、
先に旅立った大切な人は、
しばらく私たちを見守りながら、
じわじわ溶けて、
私たちと融合していくらしい。

主人公の環。
名前が出てくるまで何ページも読み進めなければならない。

周囲の人々も、
ポツンポツンと登場する。
どの人物もそれぞれの人生を抱えている。

長い長いお話だけれども、
フルマラソンを走るための練習のように
少しずつ読み進めていけばよいと思う。
途中から、調子があがって、
一気に読み進めたくなると思うから。


本格的に走る人には、
走る意味とか、心の描写とか、
気に食わないところがあるらしいけれど、
走りにド素人の私には、
走るってのもステキかもと思えた。


分厚いので、次いつ読むかわからないけれど、
よい本でした。
ファンタジーに理解がない場合は、
オススメできませんが、
「お話」が好きなら、読み応えのある1冊です。

                      (2011.09.20)










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